DB22後1問1

DB22後1問1

データベーススペシャリスト試験平成22年度午後1問1


 データベースの基礎理論に関する次の記述を読んで,設問 1 ~ 3 に答えよ。


 H 社は,各種の資格試験対策の通信教育事業を展開している。H 社では,e ラーニングを取り入れたサービスを新たに提供するために,受講者が,資格試験対策の模擬試験を Web から受験できるシステム(以下,本システムという)を構築することにした。そこで,受講者,出題及び答案などを管理するデータモデルの検討を次のように行った。

 模擬試験問題の出題形式は,図 1 の例に示すとおり大問,中問,小問の階層構造で,大問は,中問の集まりであり,中問は,小問の集まりである。


大問 1020 コース ID:IT スペシャリスト

 中問 1:ストラテジ系

  システム分析に関する次の問いに答えよ。

  小問 1 次の記述で,…の分析が困難な理由を 40 字以内で述べよ。 [短文型}

       在庫管理業務において,…

  小問 2 …分析手法の記述として正しいものはどれか。       [○×型]

       ア …手法は,…       イ …手法は,…

       ウ …手法は,…       エ …手法は,…

  小問 3 ア~エの適切な分析対象は,それぞれ a ~ d のどれか。 [ペア合わせ型]

      ア …手法          a 信頼性

      イ …手法          b 重量のぱらつき

      ウ …手法          c 構成比率

      エ …手法          d 要素間の関係

 中問 2:マネジメント系

  …に関する次の問いに答えよ。

  小問 1

     :

  小問 2

     :

 中問 3:テクノロジ系

  …に関する次の問いに答えよ。

  小問 1

     :

  小問 2

     :

図 1 大問,中問,小問の出題形式例


 各受講者は,過去に出題された大問か又は新規の大問からーつの大問を選択して受験する。新規の大問が選択されると,本システムは,あらかじめライブラリに登録されている中問を組み合わせて大問を動的に作成し,受講者に提示する。小問ごとに,短文型,○×型,ペア合わせ型,数値型などの解答形式のタイプをもち,これを小問タイプとして管理する。

 関係 "受講者","コース","アクセス","出題","答案","小問" 及び "小問タイプ属性" の関係スキーマは,図 2 のとおりである。図 4 ~ 7 は,図 3 の関数従属性の表記法に従って,属性間の主な関数従属性を表したものである。図 2 ,図 4 ~ 7 の主な属性とその意味及び制約を,表に示す。


受講者 (受講者 ID,認証 ID,パスワード,姓,名,メールアドレス,電話番号,住所,

    新日時,ログイン状態)

コース (受講者 ID,コース ID,開始日時,終了日時,総受講時間,ログイン回数)

アクセス (受講者 ID,初回アクセス日時,最終アクセス日時,ログイン日時,IP アドレス)

出題 (大問 ID,中問番号,中問 ID,小問番号,小問 ID,大問作成日時,出題回数,

   最終出題日時,中問作成日時,コース ID,制限時間,中問名称,導入文,

   評価方式,難易度)

答案 (受講者 ID,大問 ID,小問 ID,解答日時,解答時間,解答回数,評点,解答,得点)

小問 (小問 ID,小問タイプ,小問名称,問題文,問題文形式,標準配点,小問作成日時,

   連番,標準解答,部分配点)

小問タイプ属性(小問 ID,小問タイプ,問文章,解文章,最大値,最小値,○解答,

        ×解答,問文リスト,解文リスト)

図 2 本システムのデータモデルで検討した関係スキーマ


 将来,新しい解答形式を追加する予定なので,小問タイプのデータモデルの拡張について検討した。図 8 は,今後の拡張に対応できるように変したものである。受講者のデータモデルについても,属性を追加できるような拡張を考えた。


表 属性とその意味及び制約(一部省略)

属性名 意味及び制約

受講者 ID

受講者を一意に識別する文字列

認証 ID

受講者 ID ごとに発行されたログイン認証時に使用する ID。システム上で一意になるように管理される。

パスワード

ログイン認証時に使用するパスワード

メールアドレス

受講者の電子メールのアドレス

新日時

受講者の情報新された日時。受講者のパスワード,姓,名,メールアドレス,電話番号,住所は,変が可能でその履歴が保存される。

ログイン状態

受講者のログイン認証の状態が "ログイン中" ,"ログアウト中" のいずれであるかを示すコードを保持する。ログイン状態が変されても履歴は保存されない。

コース ID

資格取得コースを一意に識別する文字列

開始日時,終了日時

受講者が,希望するコースの受講を開始・終了した日時

総受講時間,ログイン回数

受講者が,受講しているコースの開始からの総アクセス時間及びログイン認証した回数

初回アクセス日時

受講者が,本システムに初めてアクセスした日時

最終アクセス日時

受講者が,本システムに最後にアクセスした日時

ログイン日時,IP アドレス

受講者が,ログイン認証した日時。毎回,ログイン認証時の IP アドレスの履歴が保存される。

大問 ID,中問 ID,小問 ID

大問,中問,小問を,それぞれ一意に識別する ID。ライブラリに登録された小問は,複数の中問で使用されることがあり,中問は,複数の大問で使用されることがある。

中問番号,小問番号

大問の中の中問の順番,及び中問の中の小問の順番

大問作成日時,中問作成日時,小問作成日時

大問を作成した日時,中問を作成した日時,及び小問を作成した日時

出題回数,最終出題日時

作成された大問の全受講者に対する出題回数,及び最終出題日時

制限時間

中問ごとに設定した解答制限時間

中問名称,導入文,評価方式,難易度

中問につけられた名称,問題の意図を述べた導入文,部分点の有無などの評価方式及び予想正答率を考慮した想定難易度

解答日時,解答時間,解答回数

受講者が,出題された大問の解答を開始した日時,解答に要した時間,及び同じ大問に対して解答した回数

標準解答,解答

小問の標準解答例,及び出題された小問に対する受講者の解答

得点,評点

出題された小問に対する得点,及び出題された大問全体の評価点

部分配点,標準配点

満点又は部分配点を与える小問の標準解答例に対する部分配点,及び小問全体の標準配点

連番

小問の解答例ごとの部分配点を管理,識別する番号

小問タイプ

解答形式のタイプ。タイプごとに,属性の組をもつ。

問題文,問題文形式

小問の問題文,及び問題提示のための表示形式


f:id:tdshdoi:20100616210954j:image


f:id:tdshdoi:20100616210955j:image


f:id:tdshdoi:20100616210956j:image


f:id:tdshdoi:20100616210957j:image


f:id:tdshdoi:20100616210958j:image


f:id:tdshdoi:20100616210953j:image


設問1

 図 4 について,(1)~(4)に答えよ。

(1) 図中の関数従属性[1]~[5]のうち,誤っているものを番号で答えよ。
(2) 図中に示されていない関数従属性のうち,決定項が異なる関数従属性を,二つ挙げよ。
(3) 関係 "受講者" の候補キーをすべて列挙せよ。
(4) 関係 "受講者" ,"コース" ,"アクセス" の正規形を答えよ。また,正規形の判別の根拠を,部分関数従属性及び推移的関数従属性の "あり" 又は "なし" で示せ。"あり" の場合は,その関数従属性の具体例を示せ。

設問2

 図 5 ,6 について,(1),(2)に答えよ。

(1) 関係 "出題" を,第 3 正規形に分解した関係スキーマで示せ。関係スキーマの属性には,図 5 中で網掛けされていないものだけを記述せよ。
 なお,主キーは,下線で示せ。
(2) 関係 "答案" を,第 3 正規形に分解した関係スキーマで示せ。
 なお,主キーは,下線で示せ。

設問3

 データモデルの拡張について,(1)~(3)に答えよ。

(1) 図 7 は,小問タイプとその解答形式ごとの属性名,属性値の関係を示したものである。図中の特殊な関数従属性(A)及び(B)に関する次の記述中の[ a ]~[ c ]に入れる適切な字句を答えよ。
小問 ID が決まれば,その小問の[ a ]が決まる。そのタイプごとに[ b ]が決まり,それぞれの[ c ]が一意に決まる。
(2) 図 8 は,関係 "小問タイプ属性" で新しい解答形式の追加に対応できるようにメタ概念を導入したものである。属性名は小問タイプごとに定義され,異なる小問タイプ間で同じ属性名が使われることがあり得るものとする。図 8 の属性間の関数従属性を示す矢印を記入し,図を完成させよ。また,解答形式の追加に対応した図 8 の新しい関係を,第 3 正規形に分解した関係スキーマで示せ。
 なお,主キーは,下線で示せ。
(3) 図 2 の関係 "受講者" について,"関連資格有無" など受講者ごとに固有な属性を,任意に追加登録できるように,関係スキーマを追加することにした。追加する関係 "受講者追加属性" を適切な三つの属性からなる関係スキーマで示せ。
 なお,主キーは,下線で示せ。



問題掲載者による注意書き

  • 実際の問題文中では,[1]~[5]は,○の中に数字がそれぞれ入っている表記だったが,機種依存文字のため,丸1,でなく [1] 等の様に置き換えた。
  • また,[ a ][ b ][ c ]は,四角で囲まれていたが,テキスト表現をするため,[ ]で置き換えた。